ねこちぐら獣医師ペットヘルスケアブログ

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高齢犬・老犬(7歳から10歳以降)の体の変化とヘルスケア

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高齢期の犬のからだ

7歳~10歳以降の高齢期のワンちゃんでは関節疾患、心臓病、腎臓病、歯周病、悪性腫瘍(癌)、認知症、内分泌疾患などがみられるようになります。病気の対策と役立つサプリメント成分についてご紹介します。犬種や個体により老化のスピードが異なります。

ライフステージの区分      

●哺乳期 生後30日程度まで

●離乳期 生後20~60日くらいまで     

●成長期
小型犬: 生後50日~10ヶ月
中・大型犬: 生後50日~1年             
超大型犬: 生後50日~2年
猫: 生後50日~1年

●成犬・成猫期 成長期以降の7年程度の時期

●高齢期 約7~10歳以降の時期

 

年齢を問わず起こるトラブル

成犬期までに起こるお腹、皮膚と耳、泌尿器のトラブルは高齢期にも良く起こります。サプリメントを上手に使って健康管理をしていきましょう。

nekochiguravet.hatenablog.jp

 

骨関節炎

関節炎は変形性関節疾患によるもの、感染性関節炎、リウマチ様関節炎などがあります。骨関節炎の原因のほとんどを占めるのは、変形性関節疾患です。

【治療】関節軟骨を修復する注射。整形外科手術。非ステロイド系抗炎症薬、鎮痛剤の投薬。適度な運動、マッサージ、関節や体重管理に配慮した療法。
サプリメント成分】コラーゲンジペプチド、MSM、緑イ貝、モエギイガイ、Ⅱ型コラーゲン、N-アセチルシステイン、ヒトデ抽出物、グルコサミン、コンドロイチン、イミダゾールジペプチド

犬の骨関節炎 前足や後ろ足がおかしい、階段を嫌がりませんか? - ねこちぐら獣医師

 

心臓病

心臓病は全ての犬のうち10~15%に起こるといわれています。犬の心臓病のほとんどをしめるのが僧帽弁閉鎖不全症です。


【治療】血管を拡張させる薬、心臓の収縮を高める薬などを使います。内科療法は症状を改善するだけであり病気の根本的にな治療ではありません。最近は外科的手術も行われます。
サプリメント成分】水蛭、ミミズ、コエンザイムQ10EPA

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腎臓病

犬の腎臓は、老廃物の除去や、体内の水分とミネラルのバランスを保っています。その役割を果たせなくなるのが腎臓病です。進行すると命に関わります。犬の腎臓病の中で最も多いのは慢性腎臓病です。

【治療】進行を遅らせるための治療として一番有効なのが腎臓病用療法食です。嘔吐や脱水などに対して対症療法を行うことも多いです。犬の腎不全は、血液中のカリウムが上昇し悪い症状が出ることがよくあります。療法食以外の食材のカリウム量を気を付けましょう。例えばドライフードに鶏肉をトッピングしている場合、カリウムの少ないムネ肉を使いましょう。(カリウムの量:もも・皮は除去>ささみ>むね・皮は除去)
サプリメント成分】キトサン、ヘルスカーボン、天然ゼオライト、炭酸マグネシウム、乳酸菌(窒素老廃物を栄養源として利用できる善玉菌)、塩化第二鉄。

 

歯周病

歯茎が炎症を起こし歯肉炎が起こります。ここで治療しないと出血や口臭が発生、歯周病になります。歯周病を放置すると下顎骨骨折を起こすこともあります。また、心臓病や腎臓病の原因になるとも言われています。


歯周病の対策】歯肉炎のうちに気づくとすぐに治すことができますが、歯周病が進んでしまうと治療は大変になります。動物病院で治療し状態が落ち着いたら、歯磨きを中心としたデンタルケアをしましょう。
サプリメント成分】グロビゲンPG、乳酸菌(KT-11、WB2000など)、ラクトフェリン、茶カテキン、海藻抽出物、柿抽出物。

犬の歯周病 今日から始める歯磨き - ねこちぐら獣医師

 

わかもと製薬の「ペッツパル」開発のお手伝いをしました。ほかに錠剤と粉末タイプがあります。クリームタイプは、飲み込みが弱い高齢犬・老犬や認知症のワンちゃんのデンタルケアを意識して作りました。

 

悪性腫瘍

人間と同じように、犬も癌になります。人間にみられる癌は、ほぼ犬にも起こります。癌細胞の異常増殖によって発生する病気です。犬では皮膚の腫瘍、乳腺腫瘍、リンパ腫、血管肉腫、膀胱がんが多くみられます。

【治療】手術、放射線治療、化学療法などを行います。
サプリメント成分】βグルカン、αグルカン、タヒボ、プロポリス

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認知症

国内の調査で健康で病院に通院していない犬の 6 歳以上において、年齢とともに兆候がみられ、13 歳で 70%以上の犬が何らかの症状があると飼い主が答えています。

【治療】食事療法や薬物療法、生活習慣の改善などを行います。人間と同じように漢方薬で効果がみられます。ただし現時点では進行を遅らせるような治療であり、完治はできません。

サプリメント成分】フォスファチジルセリンEPADHA、ARA

 

内分泌疾患

高齢になってよく見られる内分泌疾患(ホルモン性疾患)として、甲状腺機能低下症、糖尿病、クッシング症候群があります。これらは複雑に関係して同時に起こることもあります。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下することにより起こる病気です。症状は元気がない、色素沈着、脱毛、散歩を嫌がる、太りやすくなる、悲しそうな顔になる、脈がゆっくりになるなど。
【治療】甲状腺ホルモン製剤を内服します。

 

②糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足する事によって起こります。食欲旺盛だが痩せる、多飲多尿(水を沢山飲む、尿が多くなる)病気が進行すると、腎不全や白内障など他の病気を合併する事があります。
【治療】食餌療法、インスリン注射をし血糖値をコントロールします。

犬・猫の糖尿病 人の比較 - ねこちぐら獣医師

 

③クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎から、コルチゾールというステロイドホルモンが過剰に分泌される事によって起こります。 多飲・多尿がよく見られます。また皮膚の症状として毛、皮膚の色素沈着、石灰化などが起こります。お腹が大きくなったり、いつもハーハーしている(パンティング)がみられる事もあります。
【治療】内科療法、外科療法

サプリメント成分】甲状腺機能低下症、糖尿病、クッシング症候群は感染を起こしやすいので、免疫力をアップできる成分や症状に合わせた成分を取り入れると良いでしょう。免疫力にはβグルカンや乳酸菌があげられます。