ねこちぐら獣医師ペットヘルスケアブログ

獣医師発信のペットの健康情報、最新情報、漢方や生薬の話

犬・猫も肥満は大敵です 長生きのためにバランスのいい食事を

f:id:kokko818:20211116233908j:plain

 

肥満とは体重が多いということだけでなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態のことを言います。原因は食べすぎと運動不足です。様々な病気のリスクを上げて寿命を縮めてしまいます。

最近のオーストラリアの研究では重度の肥満猫の寿命は14.2歳であり、平均寿命の15.8歳に比べ短くなっているという結果を報告しています。

 

犬猫の肥満はオーストラリア、アメリカなどの国では大きな問題になっています。2018年の調査では犬で55.8%、猫で59.8%で肥満発生が認められています。(Association for Pet Obesity2018)  日本でも同様の傾向になっていると感じます。

 

肥満の問題

肥満になると様々な病気を引き起こします。肥満症は内臓に過剰に蓄積した脂肪が誘発する慢性炎症が原因となってこれらの病気を起こしやすくしています。

犬では糖尿病、心臓病、尿路結石、骨関節炎、膝の靭帯の断裂、呼吸阻害
猫では糖尿病、心臓病、肝臓病、尿路結石、骨関節炎

 

肥満のメカニズム

肥満は簡単に言うと消費カロリーより摂取カロリーが多いと起こります。

消費カロリーには【①基礎代謝量②活動によるエネルギー消費】により構成されます。基礎代謝は加齢や避妊・去勢などで低下します。何らかの理由により運動量が低下することによりエネルギー消費量が減少します。

摂取カロリーには【①食事、②おやつ】が含まれます。
当然ですが・・・与える量がふえるとカロリーが増加します。

 

肥満症対策

●BCS 3では生活習慣を見直し、肥満の原因と考えられることを改善します。

●BCS4では運動量を増やし、食事量を減らします。

●BCS 5では肥満に対する食餌療法食に変更する必要があります。
補足:肥満だけでなく、肥満+関節疾患、肥満+下部尿路疾患などに対する療法食も販売されています。また抗炎症効果のあるサプリメントや投薬も必要になることがあります。

●食事を大幅に減らしたり、絶食したりするとエネルギーだけでなく必要な栄養素も摂取できなくなり、健康状態が悪くなってしまうことがあります。

●猫の場合は、急激な食事制限をすると全身の脂肪が肝臓に集まってしまう肝リピドーシスという病気になってしまう危険性があるので、猫は絶食してはいけません。

 

f:id:kokko818:20211201133944p:plain

環境省 飼い主のためのペットフードガイドラインより

 

おやつの量

おやつ多すぎませんか?おやつが多くて食事を食べない。肥満でなくてもそういうケースをよくみかます。おやつは一日カロリーの10%内に抑えましょう。

★目標5kgの犬 必要カロリー234kcal(主食:210kcal おやつ24kcal)

おやつの例
 キャベツ1枚 15kcal
 鶏むね肉(1.5cm角に切った鶏胸肉3個)約10g。14.5kcal
 チーズ(切れてるチーズ一片)7g 23.7kcal

 

犬種・猫種による体型・体格を知っていますか?

犬種よって体型や体格が違います。例えばパグはがっちりとしているのが正常ですが、パグの正常な体型をトイプードルがしていたらかなりの肥満です。「コロコロしていてかわいいんですけれど…」お気持ちはわかりますが、元気で長生きの為には犬種に合った体重管理が必要です。

ネコちゃんはワンちゃん程種類による体型の差はありませんが、体格は随分違います。まずは適正な体重が知ることが大切です。

 

 

まとめ

極度な肥満の場合や食事やおやつを適正量に戻しても減量できない場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。

甲状腺機能低下症などの病気の場合なかなか体重が減らないことがあります。また腹部の腫脹でご家族は肥満だと思っていたら腫瘍だったということもありました。

おやつをたくさん食べていると普段のお食事を減らしても体重が減らないです。おやつやご褒美を含めた食生活の見直しが大切です。また、食事を減らすだけでなく運動もしていきましょう。