ねこちぐら獣医師ペットヘルスケアブログ

獣医師発信のペットの健康情報、最新情報、漢方や生薬の話

【犬・猫】高齢になると増える悪性のがんリンパ腫

f:id:kokko818:20211122193455j:plain



リンパ腫はリンパ球と言う細胞が腫瘍化し、 たくさん増えてしまう悪性のがんの一種です。 犬でも猫でも起こります。発生部位により多中心型、消化器型、 前縦隔型、鼻腔内型、皮膚型などに分類されます。犬では若齢より発生が見られます。発生年齢は6ヶ月~15歳。 5~10歳頃に発生するケースが多いです。


猫では8歳以降の高齢猫での発症が多いです。 個人の印象ですが20歳近い高齢猫の死亡原因の一番多いのは腎不 全、その次にリンパ腫という印象を持っています。 高齢猫の病気のイメージではありますが、 猫白血病ウイルスに感染していると1~3歳で発症が見られます。

 

 

リンパ腫の分類

 

多中心型リンパ腫

犬のリンパ腫で最も多い腫瘍です。 猫で多中心型のリンパ腫の2割の猫が猫白血病ウイルス感染症陽性 といわれます。身体の表面にあるリンパ節が腫れる腫瘍で、 症状としては体重減少、食欲・元気消失、発熱などです。

 

消化器型リンパ腫

猫に最も多いリンパ腫です。胃、小腸、大腸に発生します。 症状は嘔吐や下痢です。元気や食欲が低下し、 体重減少が見られます。

 

前縦隔型リンパ腫

胸の中や胸のリンパ節に発生するリンパ腫の総称です。犬よりも猫に多く、若い猫に多いと言われます。8割の猫が猫白血病ウイルス感染症陽性と言われています。症状は呼吸が早くなったり、呼吸が苦しそうになる、咳です。胸に水が溜まることもあります。

 

鼻腔内型リンパ腫

ほとんどが猫に発生します。鼻水、鼻血、くしゃみ、顔の変形などが見られます。

 

皮膚型リンパ腫

皮膚や口の粘膜に発生するリンパ腫で、皮膚が赤くなったり出血や潰瘍が起きます。

                                    

診断方法

腫瘤(しゅりゅう=しこり)を発見する、レントゲンや超音波検査で発見されることが多いです。リンパ腫を疑うような腫瘤を針生検査(注射器で吸引し細胞診する)ことによって確定診断をします。遺伝子検査や病理検査をする場合もあります。また、全身の状態を把握するために血液検査、尿検査、超音波検査、レントゲン検査など全身の検査が必要になります。

 

治療と対策

リンパ腫は抗がん剤に良く反応する腫瘍です。抗がん剤治療を選択するご家族も多いです。抗がん剤治療では効果が期待できる反面、副作用によって休薬が必要になることもあります。また、抗がん剤が効きにくいリンパ腫もあります。消化器型リンパ腫や皮膚型リンパ腫には手術で切除することもあります。鼻の中や限局した皮膚型リンパ腫に対しては放射線療法を行うこともあります。

リンパ腫に関しては、ネコちゃん、わんちゃんそれぞれオーダメイドの治療が必要になります。かかりつけの獣医師とよく相談の上治療に臨むことが大切です。

ネコちゃんにおいては、猫白血病ウィルスの感染がリンパ腫の大きな発症要因として位置づけられています。ワクチン接種を受ける、完全室内飼育にするなど感染を防ぐことが大切です。