ねこちぐら獣医師ペットヘルスケアブログ

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【ペットサプリメント】オメガ3脂肪酸(DHA/EPA・αリノレン酸)

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オメガ3(ω3脂肪酸)とは、食物や人体に含まれる脂肪の一種です。犬、猫はもちろんほとんどのペットで使うことができます。抗炎症効果、抗高脂血症作用、血小板凝集抑制作用が大きな作用です。これらにより体に様々な良い効果があらわれます。

オメガ3脂肪酸には動物性と植物性があります。ペットサプリメントとしても販売されています。最近、関節疾患用の食事療法食にも配合されるようになりました。良い効果が見られています。

 

オメガ2脂肪酸の分類

植物由来のαのリノレン酸

αリノレン酸は、体内では合成ることのできない必須脂肪酸です。亜麻やエゴマなどの野菜に多く含まれています。体内でDHAEPAに変換されます。

 

動物由来のEPA/DHA

魚油などの由来のエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)のことを指します。EPADHA海水魚の魚油に多く含まれる脂肪酸です。植物性プランクトンや単細胞藻類にも含まれます。

 

体へ効果

皮膚

抗炎症作用を持ち、赤身やかゆみに効果があります。犬アトピー性皮膚炎の治療においてステロイド薬を減薬することができます。

関節

関節炎の症状が改善し、痛み止めの投薬を減らすことができます。

 

心臓および腎臓

心臓病の犬は血中のEPA/DHA濃度が低いことが報告されています。魚油の補給により、心臓病の犬の食欲不振や悪液質の一部が改善したという報告や、不整脈による犬の突然死を抑制したという報告があります。

 

腫瘍

腫瘍の成長速度が遅くなったり、生存期間や寛解期間が延長したという報告があります。人でも、悪液質に陥っている患者の体重、QOL(生活の質)に対して有益であることが示されています。 

高脂血症

犬や他の動物種で高脂血症動脈硬化に対する効果が示されています。

 

認知機能・精神機能

人の認知症患者で、DHAを摂取すると計算力、判断力などの改善が認められています。子犬の認識機能の発達に関する報告があります。健常者とうつ病患者のαリノレン酸DHAEPAなどn-3系脂肪酸の蓄積量を調べたところ、うつ病患者の方が有意に低かったことが明らかになっています。

 

ライフステージでの効果

妊娠・授乳期/成長期

子犬・子猫の脳や神経系の発達は、胎児期だけでなく生後数週齢にわたって続きます。この期間に母乳や食物からEPADHAを十分に摂取することが、脳や網膜の発達を助けます。人の研究では、妊娠授乳期の母親が補給することで、子供の食物過敏症が減少するという報告があります。

 

高齢期

高脂血症作用や血小板抑制作用が関節、心臓、腎臓、認知機能などに有効に作用します。

 

過剰摂取に注意しましょう。

このようにオメガ3脂肪酸は様々な効果が期待できる素晴らしいオイルです。一方、過剰摂取は免疫機能障害を起こすことがありますので、適量を与えることが大切です。体重1㎏当たり200mgを超えない量が推奨されています。

「植物性と動物性どちらがいいの?」に関してはまだ議論の最中ですが、偏らずバランスよく適量を摂取するのが良いでしょう。