ねこちぐら獣医師ペットヘルスケアブログ

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【犬・骨関節炎】前足や後ろ足がおかしい、階段を嫌がることはありませんか?

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朝晩の気温は冬くらいになり、寒暖の差が激しくなってきました。この季節はワンちゃんの体が痛みを訴えて来院されることが増えてきます。犬も人と同様に気温の差のダメージは大きいようです。秋から冬にかけておこるのは、骨関節炎であることが多いです。階段を上らなくなった、前足、後ろ足が時々おかしいなど。
「年だから仕方ない。」のではなく痛いところがある可能性が高いです。

骨関節炎以外で前足や後ろ足に問題が出る病気

椎間板ヘルニア・・・ふらつく、足を引きずる、立てない
股関節形成不全・・・後ろ足の歩き方がおかしい、大型犬
膝蓋骨脱臼・・・後ろ足を上げる、ひざの音がおかしい。小型犬
肩関節不安症・・・肩が外れる、トイプードル
怪我や皮膚病・・・足裏や指の間に炎症や怪我

 

骨関節炎について

関節の病気以外で、大学病院に訪れた10歳以上の犬524頭の約半分が、関節に問題があることがわかりました。そのうちの飼主さまの半分が 犬の関節炎(変形性関節症)に気づいていなかったことがわかりました。(日本大学枝村先生調べ)。

また、アメリカの研究機関の最新の情報によりますと、骨関節炎は成犬の5分の1に見られ、犬の慢性的な痛みの主な原因になっています。また、症例の50%以上が未診断であり、50%以上が8歳以上で診断されますが、実はもっと若いうちから症状が出ているだろうとのことでした。

 

関節の仕組み

関節は体の骨組みを形成している骨と骨とをつなぐ構造物です。関節が骨同士を連結させることでスムーズに体を動かす事が可能となったり体が安定化します。その関節に炎症が生じ、痛みや関節の動く範囲(関節可動域)が低下した状態が関節炎です。関節には関節軟骨というクッションのような細胞があり、骨と骨とが直接ぶつかり摩耗しないようになっています。

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関節炎の原因

①膝関節の前十字靭帯の損傷、 膝の膝蓋骨の脱臼、股関節や肘関節の形成不全などの②変性性関節疾患によるもの
③感染性関節炎細菌などの感染による関節炎
④リウマチ様関節炎 自己免疫によって軟骨が損傷を受けて起こる関節炎

骨関節炎の原因のほとんどを占める変性性関節疾患では軟骨表面が削れて、軟骨の下にある痛みに関係する神経や滑膜に炎症をおよぶことで引き起こされます。

 

関節炎の治療

関節軟骨を修復する注射。整形外科手術。
ステロイド系抗炎症薬(NASIDs)、鎮痛剤の投薬。
適度な運動、マッサージ、リハビリテーション
食事・体重管理  
関節や体重管理に配慮した療法食、サプリメント投与。

 

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骨関節炎は早期の診断が大切です。体重管理や症状に合った活動方法を推奨することにより辛い痛みを発現しずらくなります。特に先天的に関節疾患になりやすい犬種は子犬の時から診断をして治療方針を立てることが大切です。

 

骨関節炎を起こしやすい犬種

トイプードル、マルチーズヨークシャーテリアパピヨン、チワワ、柴犬、シーズーミニチュアダックスフンドウェルシュコーギーペンブローク、ミニチュアピンシャーイタリアングレーハウンドサルーキボルゾイゴールデンレトリーバーラブラドールレトリーバー等。これらとのミックスのワンちゃんも同様です。

 

気になるワンちゃんのご家族へ

人間も元気なお年寄りの歩き方は、しっかりとして若者が追い越されてしまうこともあります。運動が大好きなワンちゃんの歩き方に問題があるのは、どこか痛いことのサインであることが多いです。一度動物病院で検査を受けてみませんか?